内容(「BOOK」データベースより)
つらいときは、ここに帰ってくればいい。昭和37年、ヤスさん28歳の秋、長男アキラが生まれた。愛妻・美佐子さんと、我が子の成長を見守る日々は、幼い頃に親と離別したヤスさんにとって、ようやく手に入れた「家族」のぬくもりだった。しかし、その幸福は、突然の悲劇によって打ち砕かれてしまう―。我が子の幸せだけを願いながら悪戦苦闘する父親の、喜びと哀しみを丹念に描き上げた、重松清渾身の長編小説。
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NHKのドラマを見て感動し、原作が読みたくなり購入。
ヤスは私の父と同世代、ヤスの息子は私と同世代。
ゆえに小説のなかのいろいろなエピソードがとても身近に感じる。
小説の冒頭に出てくるオート三輪は、私の記憶の中にもかすかに残る昭和の乗り物である。
小説の中でヤスが息子に話すシーンが印象に残った。
「親はそげん偉ろうない。ちいとばかり早う生まれて、ちいとばかり背負うものが多い、それだけの違いじゃ。」
この小説は電車の中で読んではいけない。
涙が出る。
私は電車の中でちょっと恥ずかしい思いをした。